川崎駅ふみレディースクリニック

村上 文祥 院長への独自インタビュー

婦人科系のがん治療に長年携わってきた経験と知識を地域の方々に

自分が頑張れば頑張るほど患者さんが助かる。社会に貢献できることに魅力を感じ、この道を志しました。大学卒業後は、研修を経て、山王病院女性腫瘍センター・婦人科に入局しました。医療の中でも、命に直結する仕事に携わりたいと考え、がんという病気に向き合おうと思ったのです。以来、婦人科腫瘍を専門として、臨床に携わってきました。婦人科系のがんは、比較的若い方に多く、積極的に手術や抗がん剤治療を必要とするケースが多くみられます。自然と、「患者さんの力になりたい」とやりがいを感じます。これまでに、のべ5000件を超える手術を経験してきました。その経験と知識を、この地域の皆さんのために役立てていきたいと思っています。

子宮頚がんの二次検診に注力

クリニック全体としては20代～40代の患者さんが多いようです。おりものの症状であったり、不正出血であったりと、ご相談の内容は多岐に渡りますが、私が専門にしてきたこともあり、子宮頸がんの予防や二次検診のために訪れる方も多い印象です。当クリニックはコルボスコピーという拡大鏡を導入しており、子宮頚がんの二次検診を積極的におこなっています。コルボスコピー自体、クリニックで導入されているところはまだ少なく、加えて、一定以上の経験と知識がなければ病変の見極めが難しい面があります。この点につきましては、これまで病院で多くの手術や検査を手がけてきた経験が生きると考えています。
子宮頚がんは、早期に発見することで治りやすいのは間違いありませんが、さらに、病変の段階によって治療法が大きく変わってきます。前がん病変や早期がんであれば、子宮の入り口を少し削りとるだけで済むケースが多いので、日帰り、もしくは1泊～2泊の短期入院での手術が可能になります。しかし、これが進行がん（浸潤がん）になりますと、様相は変わってきます。子宮を広くとることになりますし、2週間近くの入院を要するうえ、再発のリスクも考慮しなければなりません。子宮頸がんの原因となるウイルスはとてもありふれたものです。性交渉で感染しますので、性交渉の経験がある方は、年に1度をめどに検診を受けることが推奨されています。
検診も重要ですが、そもそも子宮頚がんは予防が可能な病気です。これまでも、ワクチンによって、「異形成」とよばれる前がん病変を予防出来ることがわかっていましたが、接種が浸透している海外の例を見ますと、「異形成」だけでなく、子宮頚がんそのものを予防できることも明らかになってきています。これから、日本においても、子宮頚がんワクチンが普及していくことを期待しています。

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